宝箱

2004年8月18日 コラム
宝箱が4つあるとする。どれか1つにだけ当たりがあり
どれか1つだけ開けることができるとするならば
当たりを開ける確率はいくらか?

もちろん25%である。

こんなミニゲームを作ろうと思った時
ツクールではどのように作るだろうか?

まず4つの宝箱に便宜上の番号を付け、さらにイベント前に
乱数(1-4)を取り宝箱を開けたときに宝箱に付加した
番号と乱数を比較して一致した場合は当たり、と。

まっとうなやり方である。
しかしこのように作ることもできる。

どうせ当たる確率は25%だ。だったら宝箱を開けたときに
乱数(1-4)を取り1の時のみ当たりの分岐をすればいい。

プレイヤーは宝箱を開けるときにどれが当たりか悩むだろう。
しかし後者の場合、そのプロセスは完全に無意味のように思える。
(前者も実質上は無意味だが) どれを選んでも実行する処理自体が
全く同じものなのだから。

しかし本当は無意味ではない。例えばプレイヤーが宝箱を開けたあと
それがはずれでその左の宝箱が当たりだった場合、プレイヤーは
「ああ、左を空けていれば…」と思うだろう。プレイヤーはそのような
後悔が無意味だと頭のどこかで分かっていてもやはり後悔するのである。
たとえ、宝箱を開いた時に確率分岐が行われたとしても、また
そのような処理が行われていることをプレイヤーが知っていた
としても、である。

ゲームがプレイヤーに向けて発信する情報をプレイヤーは何倍にも
増幅して、補完して受け取っているのである。これはゲームに
限った話ではない。ゲームにしろ小説にしろ楽しめるかどうかは
この増幅の度合いにかかっている。つまりプレイヤー次第なのだ。

ところで市販ゲーム(ゼルダやマリオパーティなどのミニゲーム)は
こういうとき、中でどのような処理を行っているのか気になるところである。

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